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慈眼寺「料理の器」展

慈眼寺「料理の器」展
1996年2月26日(月)〜3月3日(日) 午前10時30分〜午後6時/会期中は無休

小田原にある慈眼寺は黄檗普茶料理で知られている。住職の山中仁さんが自ら料理とその器を作っていることでも有名だ。黄檗普茶料理は確かに精進料理ではあるが、中国の影響が強く、色々と変化に富み見た目にも楽しい料理である。だから、山中和尚が伝統的な料理を基本に現代的なものを創ろうと工夫をこらすほど、自分の料理が従来のような精進料理の器には合わないと思うのだろう。この工夫ゆえについには自分の料理に合う器まで作ってしまうのも無理はない。

何度かお邪魔して慈眼寺の敷地内にある本格的なアトリエや窯をみせてもらった。これまで作った数多くの皿、鉢などの実際に使われている料理の器も拝見した。山中和尚の器は、いわゆるプロの陶芸家のような作りではないが、自分の料理をとことん知りつくしたという強みからくる出来栄えになっていた。料理と仏事の合間に器作りに打ち込んでいるとか。陶芸は、自分流だそうだが、それゆえにおもしろくて自由な発想が、器の形にも色にも表現されている。それが、山中さんの料理をさらに豊にしている。

自作の器を見せながら「自信がなくて」と和尚さんは自信ありげに言う。思い切って個展をしてみてはと提案すると、「大丈夫でしょうか」と今度は少し不安そう。もちろん専門家でさえも、個展を開くには勇気のいること。しかし器作りをもっと発展させたいと考えている和尚さんには、多くの人に見てもらうという挑戦がこれから必要だと、今回“料理の器”展を開くことになった。

自分の幅をひろげようと、イタリア料理や中国料理との交流も深めている和尚さんの器作りが、この“器展”を契機に次に進むことを期待している。
酉福店主 青山益朗



山中 仁 やまなか・じん
1957年、小田原に生まれる。1979年に慶應大学を卒業して黄檗宗の万福寺にて修行。1980年に慈眼寺にて、料理と器作りを始める。1992年より18代慈眼寺の住職。普茶料理の外に、西麻布アルポルトの片岡シェフや中華料理の陳建一氏らと料理の交流に努めている。

慈眼寺
神奈川県小田原市城山2-27-6
電話:0465(34)0831


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