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宮崎祐輔 作陶展 “秋・シルクロードメルヘン”
色絵花ラクダ扁壺 ラクダ六角高台盃

宮崎祐輔 作陶展 “秋・シルクロードメルヘン”
1996年9月26日(木)〜10月5日(土)午前10時30分〜午後6時/9月30日(月)は休廊


"南の方に吉あり″と言われ、鎌倉の八幡様にお参りをした。その帰り道の出来事。偶然見つけた「古伊万里」というやきものやの店先で、私は初めて宮崎祐輔さんのうつわに出会った。女性受けしやすい作風と言われればそうかもしれないが、有田周辺に多く見られるあの種類の絵付けがインプットされていた私にとって、祐輔さんの絵付けが何と新鮮に感じられたことか! それにこのころ、何とか会社勤めをやめて、小商いでも始められたらと思っていた矢先の「宮崎祐輔」だった。漠然としていた"小商い″が、"やきもの屋をやろう!″に変わったのもこの時だ。


染錦花跳兎銘々皿 / 赤絵兎鉢 / 紅色絵ラクダ群花入 / 色絵花兎そば猪口
この人の器からにじみ出てくるもの。それは"心底絵を描くことが好きなんだァ"という感じ。今でこそ、シルクロードを描くあの人ねと相場が安定してきたが、そのころはシルクロードシリーズも始められたばかりで、もっと自由に色々なものを絵付けされていた。あれから十数年。今でも我が家の食卓に一番多く登場するのが祐輔さんのうつわである。家庭という素人空間の中で、やさしく団欒してくれるうつわ。手入れや扱いなどと難しいことを微塵も考えずに済む上、使用頻度が高くてもびくともしない。とても主婦的な立場に偏ってしまったが、日常においては必要なポイントだと思う。

陶芸家としての宮崎さんはというと、単に絵付けを楽しんでいたころとは違い、一つの作品の中で釉裏紅(ユウリコウ)と絵付けを組み合わせたり、陶磁器の表面そのものに表情を加えるため、釉薬や生地作りに工夫を重ねたりと、食器の注文が殺到する合間をぬって確実に研鑽されてきたと思う。そして重要なことは、今、陶芸を志す者として意欲満々であるということ。ラクダや葡萄やうさぎといった祐輔さん独特のモチーフは描き続けられている。同じように見えても少しずつ変わって来ているのがわかる。今回の個展では、シルクロードの新作に加え、絵付けの楽しさが十分に発揮された作品が出展される予定だ。

南の方位にお参りしたことがどうだったか、道まだ半ばである。ただ、現在私は主人と共にやきものの店を営んでいるし、そして今回は、宮崎祐輔さんの個展を開催することにもなった。縁とは不思議なものだとつくづく感じると同時に、きっかけを作って下さった鎌倉は「古伊万里」のご主人に深く感謝している。
酉福 青山玉記



宮崎祐輔 (みやざき・ゆうすけ)
1954年 佐賀県嬉野町生まれ
1969年 琥山製陶所入所、作陶に入る
1971年 九州山口陶磁展入選
1974年 日本伝統工芸展初入選 以後14回入選
1975年 日本陶芸展入選 以後6回入選
1977年 佐賀県嬉野町吉田皿屋に谷鳳窯開窯
1978年 日本工芸会正会員となる
1981年 中国外遊(敦煌・大同・洛陽・桂林)
1984年 西日本陶芸展入賞
1985年 佐賀県陶芸協会会員となる
1990年 パキスタン外遊(フンザ・チラス・ペシワール)
1994年 モロッコ外遊
・第三回日本陶芸展日本選抜海外巡回展招待出品(オーストラリア・ニュージーランド)
・日本有田陶芸名窯展招待出品(マイセン・ベルリン)
・個展/大阪近鉄百貨店、東京三越本店など多数


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