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ヨーロッパ陶芸展

ヨーロッパ陶芸展 EUROPEAN CERAMIC ART
平成8年10月17日(木)〜11月2日(土)午前10時30分〜午後6時/但し月曜日は休廊

世界の何処かで、何処ででも - ヨーロッパ陶芸展を開くにあたって -

日本にいると、いつも焼き物に囲まれ、それが日常の当り前の景色になっている。焼き物といえば日本や中国だと思い込んでいるし、よその国に焼き物があるとはつい忘れてしまっている。勿論、ウエッジウッドやリモージュやマイセンといった洋食器については馴染みがあるが、そんな洋食器の姿を想像しているので、それ以外の物については思いもつかない。

去年、フランスの“ボルヌ村"(ここは、陶芸村として知られているが)に行った時に、世界の各地からそこに来ている陶芸家に会い、彼らの作っている焼き物をみて認識を改めざるをえなかった。それから、スイスのローザンヌ郊外に、陶芸を中心としたギャラリーを開いているリヨン女史にも会った。彼女のギャラリーに展示してあるヨーロッパの陶芸家たちの作品も見た。その焼き物の姿や形を見ているうちに、日本の人にも見てもらいたいと思うようになった。そこでリヨン女史に相談し、彼女と一緒にヨーロッパ各地の陶芸家から、候補者をえらび数点ずつ作品を送ってもらった。

送られてきた作品は、まさに喜びと驚きのいりまじったものだった。形が違う。色が違う。雰囲気が違う。別の世界がそこにあるかのようだ。そうした作品をひとつずつ見ていると、遠い世界の各地でいろいろな人たちが思い思いに陶芸に打ち込んでいる姿が浮かんでくる。仲間が世界にいるといったところだろうか。心強い物を感じ、嬉しくもあった。

今回ここに展示するものは、そのうちの第一回としてご案内するもので、ひきつづき第二回を開く予定だ。このグループ展を機会にさらに、ヨーロッパ以外の世界の各地の焼き物も紹介したいものだ。
平成8年10月 酉福店主 青山益朗

Tjok Dessauvage
ティヨック・ディソヴァージュ(ベルギー)

ティヨック・ディソヴァージュは、イーゼヘムに生まれ、ベルギーのセントルーカス及びヘントにて教育を受ける。
1979年より1995年まで、ベルギー・ギリシャ・ドイツ・オランダ・フランス・イタリア・スペイン・オーストリア・ハンガリー・フィンランド・日本・台湾・ニュージーランド・エジプト各国にて、個展及びグループ展に出品する。ジュネーヴ国際陶芸アカデミー会員。

受賞歴
●1988年:シュトゥットガルト「Europaisches Knnsthandwerk88」 フランドル「ビエンナーレ賞」 オーセル「陶芸家たちのヨーロッパ」
●1989年:ファエンツァ国際陶芸展「クロチルド・コペ賞」
シャトルー「第8回ビエンナーレ」
●1991年:アヴィニョン「ヨーロッパセレクション」
●1992年:美濃 陶芸展「優秀賞」 「イナックスデザイン賞」
●1993年:ファエンツァ国際陶芸展「最優秀賞」
●1994年:ニュージーランド・フレッチャー賞にノミネート 台湾「国際陶芸展」 カイロ「陶芸ビエンナーレ」 フィンランド「Porvoo 94」
Kirsten Sloth
クリステン・スロッツ(デンマーク)

クリステン・スロッツは、円筒型の蓋付陶筒を好み、色のついたスリップと透明な釉薬とを用いて、暖かい色調の縞模様を施した作品を制作している。また、木の葉を始めとした自然の題材を作品に取り込む事もある。
彼女は、他にもティーポットテリーヌ型・皿等を得意とし、どの作品も目を見張るほどの繊細な仕上がりである。色彩は、赤褐色・黄色・ブルーグリーン・黒などが主に使われている。土は、ユトランド粘土と石器用粘土とを混ぜたものを使い、電気窯で1200度で焼き、木材のチップを入れて還元焼成を行っている。

●1938年生まれ
●1972年〜1975年:オアフース市 ユトランド美術学校に学ぶ
●1981年:奨学金を獲得して、イタリアのサンカタルドに学ぶ

展覧会
デンマーク、英国、ドイツ、イタリア、オランダ、スウェーデン、スイス、米国
Inger Rokkjaer
インゴー・ロックイヤオー(デンマーク)

インゴー・ロックイヤオーは、かつて園芸学校だった古くて美しい庭に囲まれた家に住んでいる。彼女の作品は、この身の回りにある自然を反映させたものが多く、土は楽粘土やユトランド粘土を用い、陶箱・皿・鉢物等を電気窯で焼いている。作品は主に楽焼きの手法にそって施釉した後、屋外にある窯で焼成をおこなっているが、作品の表面には細かい貫入が入っているのが特徴。
ライトブルー・アップルグリーン・ピンクそして白といった澄んだ色の釉薬を好んでおり、特にオークル系(黄土色)の色彩は美しい。装飾は控えめだが、スタンプや刷毛を使用して独特の表現を施している。また、楽焼きの他にせっ器も制作している。

●1934年生まれ
●1965年〜1970年:オアフース市 ユトランド美術学校に学ぶ
●1982年〜1986年:オアフース市 ユトランド美術学校にて教鞭を執る
●1990年:「手工芸者大賞」で銅メダルと日本への奨学金を獲得

展覧会
デンマーク、英国、ドイツ、イタリア、スウェーデン、スイス、米国
Herve Rousseau
エルヴェ・ルソー(フランス)

エルヴェ・ルソーは、4台のろくろ、内一台はけろくろを使っている。また、窯は3基あり、小さいガス窯と、セーブル地方の薪窯、それと日本式の3連ある大きな登り窯を使う。作陶について彼は、“土の中にわれわれの表現するものを探し、そこに生きることを見出すことだ。"という。

●1955年生まれ
●1981年:ボワゼル(フランス、シュール県)に工房を開く
●1985年:三連の薪窯を築く

展覧会
フランス各地、ドイツ、スイス、オランダにて個展、グループ展多数

コレクション
ピーターボロー美術館(イギリス)
サンタマン レゾオ美術館(フランス)
ロマランタン美術館(フランス)
カールスルーエ美術館(ドイツ)



Isabelle Tanner
イザベル・タナー(スイス)

1953年スイス・ローザンヌに生まれたイザベル・タナーは、B・キャスパールのもとで陶磁器芸術を学び、1972年から1975年にかけて、ジュネーヴの装飾美術学院にも学んだ。そして、1977年にローザンヌにスタジオを構えた。
1984年以来、彼女は前出の美術学院と応用美術学院で教鞭を執るかたわら、スイス国内をはじめ海外の展覧会にも積極的に出品している。

受賞歴
●1984年:ブラティスラバの世界工芸評議会で特別賞を受賞
●1989年:スイスで開催されたカルージュ・コンテストでジルベール・アルベール賞を受賞 美濃の陶芸コンテストで特別賞を受賞
●1990年:ザグレブ・トリエンナーレの小型陶磁器大会で特別賞を受賞
●1993年:ザグレブ・トリエンナーレでシュテーラーマティック賞を受賞
その他受賞多数
Rainer Doss
ライナー・ドス(ドイツ)

●1941年:ハンブルク生まれ
●1963年〜1965年:手工芸を学び州立ヘールグレンツハウゼン陶工学校/フーベルトグリーメルトに就学。マイスター検定。
●1966年:母アルマ・ドスエコルトの工房にて独立
●1971年:アンティエ・ドスと共にヘンシュテットウルツブルクに工房をもつ
●1987年:クレメンスヴェルト城の美術館に付属する製陶工場を引き継ぐ

受賞歴
●1979年:自由ハンザ都市ハンブルク賞
●1983年:「現代陶芸」コンクールにおいてオッフェンプルク市賞及びオルテナウ芸術家サークル賞
●1986年:ヘッセン州賞
●1987年:ヨハンミヒャエル・マウヒャーコンクール3位入賞
Charles Spacey
チャールズ・スペイシー(イギリス)

●1949年:ノース・ウェールズに生まれる
●1972年〜1975年:ファーナム市のウェスト・サリー美術カレッジで3年間の陶磁器課程に学ぶ
●1976年〜1978年:イギリス及びヨーロッパ各地の工房でアシスタントとして働く
●1979年〜1992年:スイスにおいてブリジット・スペイシー・ビアンチェッティと共同アトリエを開く
●1993年:ウェールズ州ポーイス市のポント・ロバートに工房を移す

コレクション
●スイス
ジュネーヴ アリアナ陶磁器美術館 チューリッヒ ベルリーブ美術館 チャルメー美術館
●ドイツ
ハンブルク ハンス ティーマン(1991年)のコレクションを含むヨーロッパのプライベートコレクション
Bodil Manz
ボーディル・マンツ(デンマーク)

ボーディル・マンツの作品は、デンマークらしい芸術性に富んでいる。何故なら、形はシンプルでバランス良く、また軽く、色彩は澄み切った明るさを用い、装飾のパターン模様には論理性があり、これらすべての要素がデンマークデザインにおける繊細さの特徴を継承していると言ってよい。
彼女の才能は、彼女が得意とする「円筒」の形に表されている。いたって簡単に見えるが、それは十分に熟慮された結果としての形である。
制作方法は、先ず型を作り、その中に液状の磁土を流し込み眼界に近い段階まで薄く作る。それは“風が吹けば、飛んでしまうような"がイメージである。次に装飾だが、これは胎土に直に絵付けされたものではなく、まず紙に原図を描きそれをスクリーンメーカーに依頼してスクリーン上に彫りを入れてもらう。その仕上がったスクリーンシートを素焼きしたボディーにカットして貼り付け、それから数回に渡って焼き付けるものである。
極めて特殊なこの技法と、洗練された表現力は世界にも高く評価され、展覧会、受賞、そして公共コレクションも多数
である。ジュネーヴ国際陶芸アカデミー会員。


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