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出雲風陶記 三原研のせっ器を古代の息吹とともに
価格 3,150円(税抜3,000円) ISBN4-907731-03-5 C0072
サイズ 200mm×245mm
初版発行 2003.10.31
カラー・モノクロ88ページ。

身に付けていたものを削ぎ落としていくように表面装飾を捨て、土の持っている魅力を生かした質感と形だけによる表現にたどり着いた「三原せっ器」。
個展による発表をやめた1年間、自身のためだけに作った作品を、三原が生まれ育ち現在も住む島根県出雲の四季に置いて撮影。カラーによる56点を掲載する陶芸家・三原研の初作品集。
巻末には、「三原せっ器」を完成させるに到るまでの、作家人生の試行錯誤が綴られている。



出雲人(いずもびと)の仕事

今回の「出雲風陶記」を見ると、ギャラリーで見るのとは違うせっ器がそこにあることに気づく。
神魂(かもす)神社、稲佐の浜、出雲国庁跡、荒神谷遺跡、斐伊川など、作家の好きな場所に作品を持ち出し、古川誠さんのカメラがそれを捉え、藤田みわさんがエッセイを添えている。やわらかな出雲の自然の中に研さんのせっ器は当たり前のように溶け込み、質実で力強いフォルムがいつもより生き生きと輝いて見える。
出雲は「神々のふるさと」である。出雲の神は国つ神で決して偉ぶらない。そこでは神と人とが隣りあわせに生きている。神社の石段や野っ原に置かれたせっ器をはさんで、神と人とが語りあい、喜びあっているように見える。
三原研のせっ器はまさしく出雲人の仕事だとわかる。

八雲本陣主人・山陰中央新報社会長 木幡修介
「出雲風陶記」6ページより



出雲風陶記 稲佐の浜
写真: 古川 誠 / 文: 藤田みわ / 陶: 三原 研


出雲大社の西方に広がる、大きな弧を描いたような砂浜。遥か彼方の水平線は空に溶け込んでしまっている。厚くたなびく雲の隙間からは光が射し込んでいる。そして、ときおり吹きつける強い風が身を引き締める。

大きな鋤(すき)で志羅紀*の余地を切り離し、「国来(くにこ)、国来」と言いながら太い綱でその地を引き寄せたのは、出雲国の八束水臣津野命(やつかみづおみつぬのみこと)という力持ちの神様。この時の太い綱が、稲佐の浜になったといわれる。「出雲国風土記」に記される「国引き神話」である。

一方、「国譲(くにゆず)り神話」によると、出雲の国を引き継いだ大国主命*が高天原(たかまがはら)の使者らと国の統治権譲渡について話し合いをした場所であるとされている。

神在月*(旧暦10月)になると、全国の神々は、この浜から出雲入りをされる。力持ちの神、話し合いをした神々同様、今も八百万(やおろず)の神々が、この浜で風を感じ、海を、空を見ているのである。繰返し寄せては返す波音を聞きながら……。

ここは神話の舞台、稲佐の浜である。

「出雲風陶記」22-23,49-50ページより


三原研 陶歴
陶歴
1958 島根県に生まれる
1981 船木研児氏に師事
1985 島根県展工芸連盟賞
1986 山陰工芸展奨励賞
1987 山陰工芸展奨励賞
1988 山陰工芸展奨励賞 日本伝統工芸中国支部展知事賞 朝日陶芸展入選
1989 日本陶芸展入選
1990 朝日陶芸展入選
1991 朝日陶芸展入選 日本陶芸展入選 長三賞陶芸展入選 焼き締め陶公募展入選
1992 茶の湯の造形展奨励賞 国際陶磁フェスティバル美濃入選
1993 陶芸ビエンナーレ入選 日本伝統工芸中国支部展知事賞
1994 朝日陶芸展入選 焼き締め陶公募展入選 茶の湯の造形展奨励賞
1995 BONSAIの器展奨励賞 日本陶芸展入選 茶の湯の造形展優秀賞
1996 花のすみか大賞入選 淡交ビエンナーレ入選 花の器ビエンナーレ入選
1997 焼き締め陶公募展入選
1998 淡交ビエンナーレ入選
1999 NHK「やきもの探訪」出演
2000 朝日現代クラフト展招待出品 陶壁「心の野性」制作(東京サンケイビル) 「茶の湯 現代の造形展」出品(フィンランド・ヘルシンキ市美術館)
2001 茶の湯の造形展大賞
2002 「国際現代陶芸展」出品 (台湾・台北縣立鶯歌陶磁博物館) 「茶、禅、陶-国際陶芸展」出品(台湾・佛光縁美術館) エネルギア美術賞 茶の湯の造形展奨励賞 陶壁「獣頭の杜」制作(東京サンケイビル) 「現代陶芸の100年」出品(岐阜県現代陶芸美術館)
2003 茶の湯の造形展奨励賞
個展
1986 蔵・坂根(出雲) べにはな(米子)
1987 ピトレスク(松江)
1988 乾ギャラリー(赤坂) 西武(宝塚) 一畑(松江)
1989 ギャルリ・プス(銀座) 高島屋(米子)
1990 一畑 高瀬川ギャラリー(出雲) ギャルリ・プス
1991 山喜屋画廊(真岡) 大丸(鳥取)
1992 山喜屋画廊 高島屋(米子) ギャルリ・プス 山喜屋画廊
1993 阪急(神戸) ギャラリー陶屋敷(奈良) 一畑 高島屋(大阪)
1994 おかやギャラリー(斐川) 大丸(八重洲) 高島屋(岡山)
1995 三越(日本橋) 高島屋(大阪)
1996 高島屋(米子) ギャルリ・プス 高瀬川ギャラリー 一畑 そごう(広島) ギャラリー栄光舎(鳥取)
1997 酉福(南青山) 高島屋(大阪)
1998 ギャラリー船岡(大津) 高島屋(米子) 酉福 ギャルリ・シュマン(京都) ギャルリ・プス
1999 一畑 酉福 ギャラリー器館(京都) 高島屋(大阪)ギャラリー栄光舎
2000 EN陶REZ(神戸)高瀬川ギャラリー 酉福 光玄(名古屋) ギャラリー船岡 ギャルリ・プス
2001 蒐古館(宍道)[20周年回顧展]
2002 酉福 酉福三島ギャラリー(三島) 一畑 阿曾美術(銀座)
2003 酉福 高島屋(大阪) 高島屋(米子)光玄
パブリックコレクション
高木盆栽美術館(東京) 田部美術館(島根) ニューオリンズ美術館(アメリカ)

■ 出雲風陶記三原研のせっ器を古代の息吹とともに
Ceramic Art of MIHARA Ken in the Four Seasons of Izumo
初版発行 2003年10月31日
三原研
写真 古川誠
藤田みわ
編者 青山益朗
企画・編集 株式会社イースト・ミート・ウエスト
装幀・デザィン 八木健夫 株式会社オフィス・ピーアンドシー
印刷製本 図書印刷株式会社
(C)2003 East meets west,inc.All rights reserved ISBN4-907731-03-5 C0072 \3,000


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