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挽物素材 栃の木(七葉樹)
酒井高男


漆塗りをするに必要な素地には、漆の良く付く木材や竹、布、紙などのほかに陶磁、プラスチック、皮革などがある。挽き物(木工ロクロのくりもの)に合う材料としてトチ、ヒノキ、サクラ、カツラ、ブナ、セン、クリなどがある。

挽き物に使われる材料はあとから割れ、狂いがこないように乾燥を充分にさせます。板状または棒状に製材した材を桟積みにして数年天然乾燥させます。その材をある程度の形に荒挽きし人工乾燥により充分湿度を取りのぞき、あとから狂いがこないようにしてから仕上げます。

今回主に使用した栃の木の特長はケヤキやヒノキなどのように木の心材を使用するが栃の木は辺材(木の外側)の部分が多く材質的に良いが(心材は割れやすい)水分を多く含み厚板のまま使用すると腐りやすい。

  • 材が適当にやわらかく作業しやすい。
  • 製品になってから狂いが少なくねばりがあり、割れにくい。
  • 素木で使用する場合でも色が白く表面が滑らかで感触は非常によい。
  • 現在は非常に少ないがまれに直径2メートルくらいの大径木もある。
  • 漆とよく合い塗りやすい。
  • 木目にも変化があり縮み杢、かすり杢、玉杢、コブなどがあり特に摺漆で仕上げると木目がうきあがり美しく光る。

昔から挽物製品を作るのにもっとも適した材は栃の木であったと思われるが、現在非常に材が少なく入手がむずかしい。私たち山国に住む者でもほとんど見かけることがなくなったのが寂しいかぎりです。

製品を作るためには植林して200年程度かかりますが、ヒノキなどと同様に植林して銘木栃の木を後々まで残したいと思います。

木地師 酒井高男のプロフィール
1952年 長野県南木曽町に生まれる。
1970年 長野県立木曽山林高等学校工芸科卒業
1974年 南木曽ロクロ細工伝統工芸士 小椋栄一氏に師事
1988年 日本伝統工芸木竹展出品(同じく1990年)
1989年 松本市井上百貨店にて七葉樹(とちのき)会作品展出品
1990年 労働大臣指定漆器製造(挽物漆器素地製造)一級技能士検定合格
1991年 挽物漆器素地製造長野県技能競技大会1位。木曽郡南木曽町に「木芸工房さかい」設立
1997年 全国ろくろ木工芸展出品(以降2000年まで毎年出品)
2000年 デザイナー西山英煕氏に協賛、ジャパンうるしネットに協力。
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