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雷神蒔絵大棗(手前) 風神蒔絵大棗
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川端家は、もとは滋賀県の出で、初代近左は幕末のころ、京都で油屋を営んでいた。趣味人で、家業は番頭さんにまかせ、自分は絵を描いたり、俳句に興じたり。中でも漆には一方ならぬ興味を持っていたようだ。屋号が近江屋、名前は佐兵衛。そこで雅号を「近左」とした。「佐」をひとひねりして「左」としたのはご愛嬌だろう。この初代の長男が明治の有名な日本画家、川端玉章である。漆芸のほうは、初代の弟が二代目を継いだ。二代目は蛤御門の変(1864
年)で京都から大阪に疎開し、以来、川端家は大阪に住んでいる。
一昨年、五代目(川端さんのお父さん)が急逝。初盆を済ませた昨年9月、六代目を襲名した。今年4月4日から高島屋京都店で襲名記念展を開催、今回の横浜展となったわけである。「襲名展というのは、どうしても先代と比べられます。何とか自分なりに新しいものを出したいと思いまして、仁清の鱗波という茶碗がありますが、それを自分なりに消化して、棗にしてみたり、宗達の風神雷神の図に挑戦してみたりしました。それから、高島屋さんのご好意に応える意味で、バラを図案化した棗も作りました。新しいことをやっているとアピールすることも大事ですから」
展示されている80点余の作品の大半は茶道具、中でも棗がほとんどだ。従って、会場に足を踏み入れても、目に飛び込んでくるような、大きくて目立つ作品はない。しかし、それぞれの作品に向き合うと、手のひらにのるような小さな棗が、まるで宇宙なのである。漆の深さ、図案や文様というものの不思議さを思わずにはいられない。と同時に、こうした完成度は、何代も代を重ねることでしかたどり着けないものなのかもしれない、とも思った。
「私が作るのは鑑賞用ではありません。お茶の道具ですから、お客さまに使ってみたいなと思っていただける
ものを作りたい。その一方で、使える使えないなんて関係なしに、思う存分作ってみたい、とも思います」
六代目の抱負は、門外漢にもわかるような気がする。
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青貝牛平棗
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「襲名記念 六代 川端近左漆芸展」は2001年5月1日(火)まで、 横浜高島屋 (?045-311-5111)7階美術画廊で開かれている。最終日は16時で閉会。
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