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まさに木や漆との格闘技 「近藤保漆芸展」
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黒中片口と朱花台
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精巧を極めた絢爛たる世界が漆だと思っている人は、びっくりするだろう。木に挑むように傷をつけ、血を流す器に追い打ちをかけるように漆を塗り込む、近藤さんの器はそんな激しい肌合いを持つ。では凄惨な表情をしているかといえば、むしろ逆。戦い終わった安堵感すら漂わせている。殴り合うことで相手を知る男の世界、とでもいえばいいだろう
か。近藤さんは「美しいといわれると困っちゃう」と苦笑する。
近藤さんは漆を自分で精製している。「てぐろめ」(※注参照)というが、いまはほとんどの人が問屋さんから買った、機械で精製
した漆を使っている。どうして昔のやり方にこだわるのか。それは昔のやり方は計算ができないからだという。「自分がつくった漆はわけがわからない。仕上がりが読めない。スリルがありますよ」
記事を書くのなら、これだけは書いておいてくれと頼まれたことがある。
一つは、日本産の漆を使うこと。「我々職人が使わないと、漆をとる人たちが仕事をやめてしまう」と近藤さんは危機感をつのらせている。確かに国産の漆は高い。近藤さんは上塗りにだけ使っている。日本産はかたく仕上がる。傷がつきにくいものである。
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朱口ひねり鉢
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道具、つまり刷毛や和紙も、ちゃんとしたものを使おうと呼びかけたいという。「いいもの」である必要はない。
「ちゃんとしたもの」を使うのだ。そうしないと、それをつくる職人がいなくなってしまう。「機会があったら、この人たちをぜひ取り上げてください」
近藤さんは、自分のことより日本の漆の売り込みに懸命だった。
「近藤保漆芸展」は2001年4月3日(火)まで、小田急新宿店(・03-3342-1111)本館7階の工芸サロンで開かれている。10時
から20時まで。最終日のみ17時30分で終了。
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