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大角裕二作 蒔絵色紙箱「葉隠れ」
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輪島といえば漆器の世界では一目も二目も置かれるエリート産地である。その輪島の漆芸水準を維持、向上させてきた原動力のひとつに、石川県立輪島漆芸技術研修所の存在があげられる。重要無形文化財保持者、すなわち人間国宝の持つ技術を伝承する目的で、1967年に文化庁と石川県が設置した施設だ。わかりやすくいうと「漆芸の東大」といったところだろうか。
「漆光會」は、この研修所の卒業生によって構成されていて、まさに現在の日本の漆芸界を中心的に担っている作家たちの集まりといえる。
「漆光會」の第1回展は1979年。
研修所OBの若い作家たちに少しでも発表の場を与えたいという人間国宝松田権六の肝入りで始まった。それが今年で21回を数える。会員は現在18名。みな作家として名をなし、母校である研修所の講師を勤める人も何人かいる。若い人にしてみれば、「漆光會」はちょっと近よりがたい集団になりつつあり、それが悩みだと、現会長の浦出勝彦さんはいう。
「基本さえ変えなければ変化してもいい、変化しなければいけないと思っているんです。そのためにも若い人に入ってきてほしい。このままでは、若い人を育てるという会の本来の目的が失われる恐れがあります」
会場を一巡して、「なるほど、これでは若い人が近よりがたいと感じるのも無理はないかもしれない」と思った。あぶらの乗り切った作家たちが、この展覧会に向けて全力投球しているのである。会員同士が、お互いを意識し、切磋琢磨している。狎れ合いや手抜きは一切ない。
「最終日、会が終わって、売れた人、売れなかった人の差が出ます。売れなかった人は、また荷造りして輪島に送り返さなきゃいけない。つらいものですよ」と浦出さん。
こうした真剣勝負の場に参入するのは、若さだけではできない。相応の覚悟が必要だろう。しかし、その覚悟がなければ、また作家としても立てないのだ。
毎年開かれるこの展覧会には、会員1人4〜8点の出展が義務づけられている。金沢でも1回開かれ、そちらは最高4点までだが、必ず出展しなければならない。漆芸作品の製作にはとにかく時間がかかる。これは大変なことである。
こうして作家たちが真剣勝負を繰り広げる、その度合いが激しければ激しいほど、見る側は楽しいのだから、観客などというものは無責任なものである。さまざまな音色で鳴く鳥たちが群れる森に、ふと迷い込んだような楽しみ。グループ展の醍醐味を満喫した。
「第21回 漆光會」は2001年9月26日(水)〜10月1日(月)まで、池袋西武6階の西武アート・フォーラム(tel03-5992-0395)で開かれている。10時〜21時、日曜・祝休日は20時まで。
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