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どうしたら漆器を生活に取り入れてもらえるか
「輪島塗つたや 漆とくらす展」


虎脚(こあし)膳と入れ子鉢


大工素也(だいく・もとや)さん

輪島で漆器の製造・販売をしている蔦屋漆器店の大工素也さんは、輪島漆芸技術研修所を卒業したれっきとした作家だが、最近は営業活動が仕事の大半だという。営業活動といっても、いわば啓蒙活動に近い。つまり作家や店の個性を売り込む以前に、輪島塗ひいては漆器全体についての理解を深めてもらう活動が主なのである。「営業」が「啓蒙」にならざるを得ないところに、日本の漆器の現状がある、といえるかもしれない。

漆器は器である。使ってもらわなければ意味がない。それも年1回、正月に食器棚の奥から出してくるというような使い方ではなく、毎日、当たり前のように使ってもらいたい。毎日使うことでよさが増すのが漆器なのだ。今回の「漆とくらす展」にはそういう蔦屋の姿勢、大工さんの思いが込められている。

蒔絵ぐい呑み「鰍(かじか)」(乾漆)

では、具体的にどんなところか? 2つのことがいえると思う。

ひとつは、塗りたてといって、漆が塗りっぱなしになっていることである。つまり、研がないのである。磨けば艶(つや)は出る。しかし、あえてそれをしない。それが本来の漆の艶だし、人工的な艶よりも、使い込むことで出る自然な艶を重視するのである。

大 鉢

もうひとつは、テーブルセッティングの提案だ。毎日使うことになれば、当然陶器やガラスの器と一緒のテーブルに並ぶことになる。食卓全体をどう演出するか。それも特別の日の食卓ではない。普段の食卓で、漆器をどう組み合わせるかが提案されている。展示されている漆器がほとんど無地なのも、上に記したことと関連する。自然な艶を楽しむには無地がいちばんだし、コーディネートしやすいのも無地である。

八角重を中心にしたテーブルセッティング

ただ、ひとつ心配なことがあって、大工さんに質問した。漆器と陶器やガラスの組み合わせでは、漆器に傷がつかないかと思ったのだ。

「細かい傷は気にしなくてもいいと思います。使っていれば当然つくものだし、洗っていてなくなってしまう傷もあります。それから、お客さまに直接お売りしているので、器のフォローが可能です。修理など、何でも気軽にご相談いただきたいと思います」

ストライプ三段重

蔦屋の漆器展ということで、作家名の表示はない。「作品」というより「器」だという気持ちだろう。何となく清々しい展覧会である。

「輪島塗つたや 漆とくらす展」は2001年6月26日(火)から7月2日(月)まで、東京・銀座の越後屋美術サロン(TEL03-3564-0488)で開かれている。

営業時間は11:00〜19:00。最終日は17時まで。
蔦屋漆器店 石川県輪島市河井町3-103 TEL0768-22-0072

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