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朱塗四方向付
Vol.5 「鈴木睦美作・朱塗四方向付」



この器は、木地の形を四方に変化させて作った最初の作品である。木地は、指先の僅かな力で形を変えることができるほどの厚さ、0.3mm程で全体に均等に挽いてある。

私は代々漆を生業とする家に生まれ、祖父表朔は漆の名人であった。その表朔と父は共に良い挽物師に恵まれ、これと同じ厚さの木地を手にしている。が、この形は作っていない。私も、漆に携わることになった当初は木地の形を変化させて器を作る事は全く考えなかった。この頃、「何か新しい器を作りたい」という思いが、今考えれば心に強くあったのではないかと思う。

例えれば、水が湯になり沸騰して蒸気になる、その時に生まれる自然な新しい形。この器もその様に自然に生まれた。

形を変化させて作る器は楽しい。向う側が透けて見えるほど薄く挽かれた木地は、私の掌の中で楕円になったり三方になったりする。こうして形を決めている時、器を産んでいる気持ちになる。

鈴木 睦美



鈴木睦美 略歴
主な国内個展
1975年 京都高島屋(以降78・83・86・88・91・94・2000年)
1995年 銀座和光ギャラリー(以降95・97・2000年)
1996年 南青山酉福(以降98・99・2000年)
2000年 「うつわをみる」展出品
(東京国立近代美術館)
2001年 「京都の工芸」展出品
(東京・京都国立近代美術館)
主な海外展示及び展覧会

ストックホルム国立東洋博物館
コペンハーゲン王立工芸博物館
ブリュッセル王立歴史博物館
ケルン市立東洋博物館
シッツトガルト州立リンデン博物館
ロンドン ヴィクトリア&アルバート博物館
台北市立美術館
オックスフォードアシュモリアン博物館
フランクフルト工芸博物館
サンフランシスコ東洋博物館
ジゼルクローエギャラリー(ブリュッセル)
E&Gフランケルギャラリー(ニューヨーク)
メトロポリタン博物館
メキシコシティー現代文化センター
ハンメリンナ美術館
ほか

作品収蔵
ニューヨークメトロポリタン博物館
ニューヨーク近代美術館
サンフランシスコ東洋博物館
ロンドン ヴィクトリア&アルバート博物館
ストックホルム国立東洋博物館
宮内庁
ほか10の博物館

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