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朱塗四方向付
Vol.9 「鈴木睦美作・溜塗輪花鉢 」




この作品は私が33歳の時、初めての個展を京都高島屋美術画廊で催した時の作品である。

その頃特に魅せられていた仁清や柿右衛門の器はお洒落で清々しく、贅肉のないシンプルなそれらの形をなんとか漆で作れないかと思って作ったのがこの器である。溜塗になっている輪花の部分は、木を輪花に彫っているのではなく、厚さ0.3mmの木地の外側と内側にそれぞれ1mmずつの漆をつけ、合計2.3mmの厚さにしたものを元に削り、削った部分に漆をつけ、それを何十回と繰り返して輪花の形に作っていった。陶器なら一瞬にして作れる形だが漆では輪花にするこの部分に2週間以上かかる。

漆は本当に根気のいる仕事だが、しかしこの方法は輪花の器を作りたいと思う心から自分で生み出した技なので、思い出深い作品のひとつとなっている。 そしてその技は、その時から30年近く経った今でも私の身になっている。

鈴木 睦美


鈴木睦美 略歴
主な国内個展
1975年 京都高島屋(以降78・83・86・88・91・94・2000年)
1995年 銀座和光ギャラリー(以降95・97・2000年)
1996年 南青山酉福(以降98・99・2000年)
2000年 「うつわをみる」展出品
(東京国立近代美術館)
2001年 「京都の工芸」展出品
(東京・京都国立近代美術館)
主な海外展示及び展覧会

ストックホルム国立東洋博物館
コペンハーゲン王立工芸博物館
ブリュッセル王立歴史博物館
ケルン市立東洋博物館
シッツトガルト州立リンデン博物館
ロンドン ヴィクトリア&アルバート博物館
台北市立美術館
オックスフォードアシュモリアン博物館
フランクフルト工芸博物館
サンフランシスコ東洋博物館
ジゼルクローエギャラリー(ブリュッセル)
E&Gフランケルギャラリー(ニューヨーク)
メトロポリタン博物館
メキシコシティー現代文化センター
ハンメリンナ美術館
ほか

作品収蔵
ニューヨークメトロポリタン博物館
ニューヨーク近代美術館
サンフランシスコ東洋博物館
ロンドン ヴィクトリア&アルバート博物館
ストックホルム国立東洋博物館
宮内庁
ほか10の博物館

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