| 徳島新聞 2002年12月5日付
徳島県立博物館は、江戸中期の元禄年間を中心に徳島藩・蜂須賀家のお抱え絵師として活躍した谷田忠兵衛(生年不詳-1710年没)が始めたとされる、谷田蒔絵(まきえ)の漆工芸品「草花円文密陀絵食籠(くさばなえんもんみつだえじきろう)」など計31点を購入した。総額は442万8千円。
食籠は直径17.7センチ、高さ約10センチ。17世紀後半に製作されたものとみられる。食べ物を入れる容器として屋外で宴会を開くなど特別な時に使用されたらしい。全体は朱漆塗りで、竹梅、菊、桜、ショウブ、ボタンなどを円形にデザインした華やかな作品に仕上がっている。展示時期は未定。
谷田蒔絵は、金ぱく片をまだら模様にすり付ける「金こがし」と呼ばれる独特の技法や、顔料を油で溶いて塗る密陀絵などの技法を用い、草花などの文様を描いた漆器。全国的に知られ、同館はこれまでにも購入、収集している。
同館は「食籠の形状、草花を和風の文様で描くなどした意匠、技法とも谷田蒔絵の特長をよく示した優品。全国的にも珍しい漆工芸品であり、
江戸時代の資料としても価値がある」としている。
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