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遺跡発掘事務所全焼
世界最古の漆副葬品など焼失 南茅部町


北海道新聞 2002年12月29日付

28日午後11時40分ごろ、渡島管内南茅部町大船575、同町埋蔵文化財調査団事務所(団長・石坂新一町教育長)から出火し、木造平屋の同事務所約620平方メートルを全焼した。事務所に保管していた約9千年前(縄文時代早期前半)の世界最古とされる漆副葬品や子供の足形がついた土板の大半、土器など計数万点を焼失または破損した。

漆副葬品は縄文文化を読み解く最重要資料で、考古学の研究者は「縄文史、東アジア文化史にとって大きな損失だ」としており、学界にとって痛手となった。

同事務所によると、同町垣ノ島B遺跡から出土した漆塗り装身具の副葬品6点がほぼ焼失。約6千5百年前の足形付土板は17点のうち5点しか見つかっていない。約3千2百年前の急須型「漆塗り注口土器」は焼けて発見された。

同町内で出土し、国の重要文化財に指定されている約3千5百年前の「中空土偶」は役場金庫に保管されていたため、無事だった。

2000年8月に同遺跡の墓で見つかった漆塗り副葬品は、漆を塗った糸で作った髪飾り、腕輪、肩当てなど装身具の繊維が腐食して土の上に漆が残ったもので、縄文時代の衣装の編み方が分かる。昨年6月、放射性炭素を使った年代測定から、南茅部町教委が世界最古の漆と発表していた。

これらは事務所に隣接する大船遺跡速報展示室で展示、保管していたが、11月13日からの展示室冬季休館のため、今月27日までに順次、事務所に移して保管していた。

森署などによると、事務所では28日午前10時から午後1時ごろまで、調査員一人が点検などの作業をし、2カ所の出入り口のカギをかけて帰宅した。出火当時は無人だった。

事務所は暖房も含め全面的に電化され、火の気はないが、スプリンクラーなどの自動消火設備はなかった。事務所から離れた駐車場に木くずを燃やした跡があり、火災との関連を調べている。

火は消防が約4時間後に消し止めた。


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