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現代造形ジャン・コプ展
会場:Abbaye de Maubuisson
期間:2011年4月6日〜10月1日
場所:Avenue Richard de Tour 95310 Saint-Ouen-l'Auôme France
ジャン・コプ展の会場となったモーブイッソン僧院は、パリ首都圏西北部、印象派画家カミーユ・ピサロの町として知られるポントワーズとマルヌ川を挟んだ対岸の町にある。僧院は中世にあたる1236年にポントワーズの城主だったブランシュ・ド・カスティーユ王妃が建立。フランス革命以後は軍病院として利用された後、1979年にヴァル・ド・ウワーズ県が購入し、現在はコンテンポラリー・アートの展示会場として公開されている。
ジャン・コプ氏(1970年生)はフランクフルト生まれのドイツ人だが、大学生活はパリで送り、1996年にパリ美術大学を卒業後、パリとベルリンを拠点に、彫刻、デッサン、ビデオ、パフォーマンスなどコンテンポラリー・マルチアーテイストとして活動し、フランス・ドイツ・スイス・オーストリアの主要都市やニューヨーク、シンガポールでの個展に加え、数多くのグループ展に参加している。
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中世の穀物倉庫 |
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終わりのないゲーム(Le Jeu sans fin) |
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モーブイッソン僧院 |
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入り口の案内所に行くと、まず中世の穀物倉庫へと案内された。扉が閉まると、小窓から射し込む光りの中に、11個の鉄球が浮かんでいる。「終わりのないゲーム(Le Jeu sans fin)」と名づけられた作品は、地球が自転していることを証明するために1851年にレオン・フーコーが公表した「フーコーの振り子」の原理を応用したものだが、鉄球はぶつかり合うことなく、ゆっくりと未来永劫のように揺れ続ける。中世の石造りの柱とうまく溶け合っており、瞑想の世界に引きずりこまれていく。
メイン会場の僧院は、往時には正面左手に大きな教会があり、建物も方形に延びており、約120人の王族・貴族の子弟が在住した。僧院内にあった粉引き用の水車へと流れていく水路を見れるのは珍しい。
「リフレインする曲線(La Courbe de la ritournelle)」はバゲッドパンが螺旋状に積み上げられている。バゲットの数は約3,000本を数える。一見すると、バゲットは陶器かプラスチック製のようにも見えたが、本物のパンを使用している。キリスト教のカトリック宗派では、パンはキリストの身体を意味しており、会場となったモーブイッソン僧院を念頭に創作した作品である。迷路のような螺旋は、聖地エレサレムに行くことができない人々が、床に膝立ちをして螺旋をたどって行く苦行を通じて聖地巡礼の思いを成就することを表現しているもので、実際に中に入って彷徨することができる。
使用しているバゲットパンは町内のパン屋が売れ残りを納入しているもので、納入される度に螺旋の積み木が延びていき、展示の最終日に作品が完成する。展示終了後、バケットパンは家畜飼料として再利用されていくが、バゲットパンの積み上げは崩れやすく、大量生産・大量消費の現代の脆弱性を示す意図も含まれている。
「ルーム・ゲーム(Kammerspiele)」は四方の壁を使った4画面に、混沌とした都市風景、若い女性の奇妙な独白、ボールで遊ぶ子供などのビデオやアニメ映像を流しながら、4画面を対話させていき、観衆は4画面を交互に見ながら連想を膨らましていく、という新しい形のシュール・レアリズムのような作品だった。
 リフレインする曲線(La Courbe de la Ritournelle) |  |
ビデオ作品ルーム・ゲーム(Kammerspiele) |
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