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「僕は家ではBlack Sheep(変わり者)だったんだ。」と悪戯っぽい笑みを浮かべて語るマーク・ヒューイット氏。父、祖父とも英国の名窯スポード社に従事し、大叔父たちも磁器を生産する窯業一家に生まれ育ちながら、陶器への関心はほとんど湧かなかった。
しかし、大学へ進学し地理を専攻していた彼の人生観を一変させたのは、友人から借りた一冊の本だった。バーナード・リーチ著"A
Potter's Book" 「陶工の本」(中央公論社刊)は、彼の内なる美意識を強く刺激し、家業の工場生産ものにはない手作りの陶芸への扉を開いた。「自分もこのような美しい陶器を作りたい。」この思いが、その後の彼を駆り立てる原動力となった。
リーチの直系といえるマイケル・カーデューのもとで3年間の修行を終え、西アフリカ、韓国、日本を旅しながら様々な技法を学んだ後、米国に渡り、1983年現在のノースキャロライナ州ピッツボローに自分の理想とする制作の拠点を見い出した。
ノースキャロライナは良質の粘土を産出し、19世紀からの陶芸の伝統があるため、多くの陶芸家が集まっている。陶器のファンも多い。彼の作業場での年4回の窯出し即売会は前日から列ができるほどの人気だ。アフリカ風の模様を施された穴窯で、おもに塩釉をかけて焼かれる大小さまざまな作品は、どれも素朴な造形と色相の中に民芸の心を映し出し味わい深い。
「マグが、何かを飲むための日常のただの器であるとは限らない。時に何かを雄弁に、また、詩情豊かに語りかけ、情熱的であったり、複雑な一面を覗かせながらも、安らぎを与えてくれ、何年間使い込んでも人の感受性を刺激してくれるものだと思うんだ。」用の美を追究した"ポストモダン機能的ロマンティシズム"から生まれる彼の作品ひとつひとつが、あたかも自分を主張して語りかけてくるようだ。
インタビュー ニューヨーク駐在員 山田宏美
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